静岡の地酒

初亀醸造

初亀醸造

 初亀醸造は旧東海道(県道208号線)に沿った、岡部宿のなかにあります。近くには大旅籠柏屋などがあり、古くからの街道・宿場の雰囲気が今なお残っている場所です。
 創業は江戸時代初期の寛永12年(1640)。元々現在の静岡市の駿府城の北側にあったそうですが、明治初期に現在の場所に移転したとのことです。
 全国的には吟醸酒が有名な蔵ですが、地元では吟醸酒に限らず普通酒の安定感ある旨さにも定評があります。

 

吟醸酒のパイオニアとして

 初亀醸造は、地元に愛される酒を造る傍ら、古くから吟醸酒に取り組んでいたことでも有名な蔵です。昭和42年(1967)に静岡県、名古屋局、全国清酒品評会のすべてで第一位を受賞したことを記念して吟醸酒の販売をはじめましたが、これは全国的に見てもかなり早かったようです。また、昭和52年(1977)には当時小売価格1万円という日本でいちばん高額な大吟醸酒『亀』を発売し、全国的にも話題を集めました。

 

原料にこだわった丁寧な酒造り

 丁寧な酒作りを心がける当蔵は、当然原料にもこだわりを持っているとのことです。仕込み水は50メートルの井戸を掘って南アルプスの伏流水をくみ上げて使っているそうです。また米は特A産地である兵庫県東条町の山田錦と、富山県南砺農協の五百万石にこだわり、また地元産の雄山錦と誉富士なども使っているとのことですが、いずれの産地も単に米を仕入れるだけではなく、農家との共生を考えた活動を行っているとのことです。

 

商品デザインへのこだわり

 初亀醸造の商品を見ると、ラベルをはじめ全体のデザインへのこだわりを感じ、見ているだけで楽しくなります。とくに、独自のデザインボトルを使用した「瓢月」は2006年にグッドデザイン賞を受賞しています。