静岡地酒をめぐる環境
「静岡の地酒」とは、いったいどのような特徴があるのでしょうか。
吟醸王国静岡
日本酒の生産地の中で、静岡は一種独特の位置に属しています。従来、酒処のイメージとして「雪国」「米の産地」「豊かな水資源」といったものがありますが、その点温暖な静岡県は、そのイメージにそぐわない感もあります。しかし、そのような条件を克服するため、蔵の温度を低温に保つ設備の導入や静岡の気候にあった「静岡酵母」の開発など、多くの努力が積み重ねられてきました。その結果、全国新酒鑑評会などで多くの入賞蔵を生み出すようになりました。
「静岡酵母」で醸した「静岡型吟醸酒」は、香りが高く酸が低い、まるくすっきり整った従来にないタイプの酒と評されています。
豊かな水資源
富士山や南アルプスを背景に持つ静岡は、水に関してはとても恵まれています。これらの水は多くが軟水で、それらを使った酒は軽くきれいな女性的な酒になるといわれています。
丁寧に仕込まれた品質
静岡県の清酒製造量に占める特定名称酒(純米大吟醸酒・大吟醸酒・純米吟醸・吟醸・特別純米・純米・特別本醸造・本醸造)の割合は約80パーセント。全国平均が約25パーセントであることを考えると、静岡県の酒は全般的に丁寧に作られていることが分かります。また、各蔵の規模が大きくなく、きちんと品質管理できる量を醸造しており、その品質への信頼を高めています。